考えごとノート。

日本が多様性に寛容な社会になるために、世界一多様な都市トロントに留学している教育者の卵です。Teacher candidate/ DIversity education/ Canada / Study abroad

気づかないうちに「自分が優位に立っている」ということ。

What is your privilege?

The power flower というアクティビティーを通して、"Privilege"(特権、恩恵)について考えました。それは、自分とは違う立場の人たちに気づくきっかけになります。
(私はこれをやりながら、うわああと心の中で驚きや感動が起こりまくりました。)

ステップ1として社会で力のあるまたはマジョリティであるグループをカテゴリーごとに特定していきます。カナダオンタリオの場合、宗教ではカソリック、言語的側面でいえば英語話者、家族では核家族が大半を占めることや、移民はBRIC(Brazilian, Russian, Indian and Chinese)が多いことなど、一つ一つ洗い出します。これも社会を知るのに面白い。(日本だったらどうなるかも学校でやってみたい!)

 

次は、次は自分自身の社会的アイデンティティを記入。人種は?言語は?性的趣向は?家族構成など、全部書きます。私は日本語話すよ〜、家族構成、今は親戚と住んでるよ〜とかね。

そしてその次が面白いのです。
自分のステータスとステップ1で書き出したマジョリティグループと、幾つマッチするか、つまり自分はどれだけ優位なコミュニティに所属しているか、を確認してゆくのです。マッチしたところには色を塗ります。1目でわかるから、大学生に限らず対象年齢が低くてもできますね。

ちなみに私はカナダの優位的なカテゴリーにどれだけ当てはまっていたかというと、結果がこちら。

 

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ズバリ、16項目中5個のみ。
年齢・教育・精神状態・身体的ハンンディキャップ・性的嗜好
この5つでは私はカナダでも優位な立ち位置にいるということです。

例えば性的嗜好でいうと、私はHeterosexualです。異性を好きになります。
それが社会的優位とマッチしてる=私には他方を支配する(排斥する)力を自然ながらに持ってしまっているのです。
自分が生まれながらに持っているものや現在考えていることが、多くの人に共有されるが為に、自分と違う立場の人が苦しんでいることを経験しなくて済む人だということです。
それってただのマジョリティのためだけの世界であるだけで、
本当の意味ですべての人がいきやすい社会(Humanization)に到達していないんですよね。

これまたああカナダだなあと感じるのは、このエピソード。
トランスジェンダーの人はトイレに入るのに本当に葛藤するって聞いたことがありますか?(私はカナダに来てからこの問題に気付きました。)

カナダは世界で初めて同性婚を認めた国。(厳密に言うとオンタリオ州が世界初なんだけどもね。)街にもLGBTQを象徴するレインボーで彩られた区画があるほど。

そう、このトランスジェンダー問題は教育現場でも本当に真剣に捉えられています。
生徒で、本人はその見た目とは裏腹に自分の性を捉えていたとして、でも周りがそれを認識していないとすると、トイレに異性が入ってきたことでいじめや差別行為に繋がる事案があるからです。
国や言語や文化を超えて、どんな状況(Privilege以外の人)でも違いに寛容であろうとするこの国は、毎度思うけど日本の100歩先を行ってます。

日本は98%が日本人という人口の構成上、日本人であること、厳密に言うと日本人の両親から生まれ、日本で育つことが社会において大きな特権ですよね。だって、日本人の中にいれば誰もがあなたの味方だと感じることができるから。
そのんかに1人だけ外交の方が来たら、その人はアメリカ人であるという不変の事実がそこではハンデになることもあるのです。不必要に周りから注目されたり、理解を得難いことがあったり。

特権を考えるのは、すごく面白いアクティビティーでした。これなら高校の実習でもできるかもしれない。やってみたい。